巧みな恐怖演出と緊張感あふれる戦闘でホラーとFPSを融合することに成功した傑作、F.E.A.R.のご紹介。
超常現象専門の特殊部隊First Encounter Assault Recon、通称F.E.A.R.(フィアー)の新入隊員である主人公は、軍需企業アーマカム社で発生したレプリカ兵(クローン兵)の反乱の鎮圧に向かいますが、作戦の最中、度々幻覚や幻聴に襲われます。幻覚に表れる赤い服の少女は誰なのか?幻覚の中で話しかけてくる反乱の首謀者フェッテルと自分の関係は?
謎が謎を呼ぶ展開、そして衝撃の結末...と書きたいのですが、このテの話が好きな人は、前半で話の展開が読めてしまうと思います。(アキラ+リング)/2みたいな。そんなお話です。
一歩間違えると陳腐になってしまうお話を救っているのが、巧みな恐怖演出。ストレートなゴアやスプラッタではなく、どちらかというと日本的なじわじわくる恐怖感。インダストリアルな音楽もそんなゲームを盛り上げます。
ちなみにゴアの方は、主に戦闘に登場します。ショットガンを至近距離で撃ち込むと敵の体がバラバラになって肉の塊が飛び散ったり、ヘッドショットをきめると死体が物理法則を無視して飛び跳ねたり、戦闘中のゴア表現は結構きつめです。
赤い服の少女=アルマの貞子なビジュアルといい、アキラなヴォールトのデザインといい、隠し部屋で鳴り響く日本の歌謡曲といい、日本のサブカルの影響を思わせる部分もちらほらと。
システムは至って平凡なFPSですが、戦闘が屋内での至近戦に絞られており、至近距離から殺傷力の高いSMGだのショットガンだのを撃ちあうので、短いけれど緊張感のある戦闘がテンポ良く続きます。気を抜くとヘルスを回復する間も無く瞬殺されます(笑)。
マトモに撃ちあったら攻略するのに一苦労ですが、主人公にはSlowMo(スローモ)という必殺技があり、これを使ってゴリゴリ前に進みます。
SlowMoを発動すると、ジョン・ウーの映画のように、場面がスローモーションになり、主人公は硝煙弾雨を掻い潜って敵を倒すことができます。Max Payneではブリット・タイムとかいう名称だったような気がしますが、ちょっと前のFPSで流行ってたやつです。ストラングルホールドとか。
SlowMoを発動すると連射速度やリロードもスローになるので、ショットガンのような一撃必殺系の武器と相性がいいです。スローモを発動して一気に距離を詰め、至近距離からショットガンを叩き込むのが私のお気に入りの戦法です。ゲームの後半になるとかなり長い時間スローモを使えるので、結構な数の敵を一気に殲滅できます。
古いゲームですが、AIはよくできていて、こちらが位置を変えるとそれに対応してAIも位置を変えてきます。複数ルートがある場面では積極的に背後を狙ってくる、劣勢になると後ろに退く、優勢なら前に出るとか。敵を一掃したと思って迂闊に前に出ると、隠れていた最後の一人に背後から撃たれてゲームオーバーとか、後ろに回り込んだつもりが、逆に後ろを取られたり。死角を絶えずチェックしながら前に進む必要があり、緊張感ある展開になります。
システムは全く異なりますが、全体の雰囲気はRainbow Six: Vegasを彷彿とさせます。素早い状況判断が必要な屋内戦中心で、緊張感のある場面が続くというあたりがよく似ているかな?と。
残念なのは、日本語版が現在入手困難なこと。イーフロンティアのPC日本語版は絶版のようですし、コンソール版はそもそも日本で発売されていないみたい。PC英語版をダウンロードで購入して、日本語化Modを導入するのがよろしいかと。
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